昭和49年度 |
日本赤十字社退職年金制度の発足
- 日本赤十字社では、長期にわたって勤務する職員の老後生活の安定の一助となることを目的として、昭和49年10月1日に「日本赤十字社退職年金制度」が発足しました。これは、20年以上勤務した職員が55歳以上で退職した場合に退職年金を給付することなどを内容とした、日本赤十字社独自の自社年金制度でした。
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平成4年度 |
日本赤十字社厚生年金基金の設立
- 退職年金制度については、急速な高齢化現象の進行に伴い、より充実した制度が求められるようになりました。日本赤十字社では、平成元年4月の事務改善等推進委員会最終答申の中で「厚生年金基金について検討する必要がある。」としたのを受けて、「福利厚生に関する検討会」において検討を重ね、厚生年金基金を設立することとしました。その後、厚生年金基金設立に向けた具体的な作業を進め、平成4年10月1日に厚生大臣の認可を得て「日本赤十字社厚生年金基金」が設立されました。
- 日本赤十字社厚生年金基金は、国の厚生年金保険の一部を代行し、日本赤十字社独自の上乗せ給付により、国の厚生年金より厚みのある給付を行ってきました。そのほかにも、加入員の生活の安定と福祉の向上を図るとともに、基金制度の円滑な運営を目的とした様々な事業に取り組みました。
<主な取り組み>
平成6年3月 |
「私たちの厚生年金基金」(初版)発行 |
平成6年4月 |
「ききんだより(創刊号)」発行 |
平成12年11月~ |
設立事業所の基金事務担当者向け研修会の開催 |
平成14年10月 |
ホームページ開設 |
平成16年10月~ |
年金相談会の開催 |
平成17年4月~ 平成23年3月 |
日本赤十字社からの事務委託による福利厚生事業の実施 |
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平成24年度 |
日本赤十字社厚生年金基金の制度変更
- 国内外の経済情勢や本格的な高齢社会の到来による年金制度全体の見直しなどの厚生年金基金を取り巻く情勢の変化に伴い、日本赤十字社厚生年金基金では平成19年から「厚生年金基金の制度のあり方検討委員会」および「厚生年金基金の財政・資産運用のあり方検討委員会」において、将来における基金制度や財政運用のあり方について検討を始めました。その結果、現行の制度設計のままでは将来的に制度を維持することは困難であるとの認識のもと、必要な財源をより安定的に確保し、将来的に制度を維持するために、加入員の3分の2以上の同意を得て、平成24年4月1日より加算年金の見直しを行いました。主な見直し内容は、給付減額、掛金の引き上げおよび支給開始年齢の引き上げなどです。
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平成26年度 |
代行返上の方針決議
- 平成26年4月1日の「公的年金制度の健全性及び信頼性確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成25年法律第63号)」の施行に伴い、厚生年金基金制度が存続するには厳しい条件が課されることとなりました。そこで日本赤十字社厚生年金基金では、平成26年9月16日開催の第55回代議員会において、国に厚生年金保険の代行部分を返上し、確定給付企業年金に移行することを前提に手続を進める「代行返上」の方針を議決しました。この議決に基づき、平成26年9月26日には、厚生労働大臣あて「代行返上計画申請書」等の必要書類を提出し、その手続を開始しました。
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平成27年度 |
将来分代行返上と新制度(確定給付企業年金制度)の検討
- 平成27年には、代行返上計画の第一段階となる「将来分代行返上」の認可を得るため、全国の事業所で説明会等を実施しました。その結果、平成27年12月31日現在で、全事業主および加入員の3分の2以上の同意を得たことから、平成28年1月19日開催の第58回代議員会において、国への「代行返上(将来分)にかかる認可申請書」等の提出について議決しました。この議決に基づき、平成28年1月27日付で厚生労働大臣あて「代行返上(将来分)にかかる認可申請書」等を提出しました。
- 平成27年5月27日に代行返上後の後継制度(確定給付企業年金制度)について検討することを目的として、「厚生年金基金の後継制度あり方検討委員会」を設置しました。委員には日本赤十字社本社、支部、施設からの代表のほか、年金に関する有識者を専門委員として加え、平成27年11月に初回の委員会を開催し、以降、平成28年2月までに3回の委員会を開催しました。
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平成28年度 |
新制度(確定給付企業年金制度)の構築
- 平成28年4月1日に厚生労働大臣から将来分代行返上が認可されました。それを受けて、前年度に引き続き開催した「厚生年金基金の後継制度あり方検討委員会」では、平成28年度1回目となる平成28年6月16日開催の第4回委員会において、これまでの検討状況を中間報告書として取りまとめました。この中間報告書は平成28年7月1日付で委員会から各設立事業所事業主を通じて、加入員へ周知されました。
- 平成28年8月9日開催の第5回委員会では、中間報告書に対する各事業所からのヒアリング結果を踏まえ、最終報告書を取りまとめました。最終報告書は平成28年9月1日付で委員会から日本赤十字社総務局人事部長および日本赤十字社厚生年金基金理事長あてに報告されました。あわせて平成28年9月14日付で各設立事業所事業主にも通知され、これをもって委員会はその役目を終了しました。その後、最終報告書を基に日本赤十字社企業年金基金規約(案)を取りまとめ、平成29年2月21日に開催された第62回代議員会において同規約(案)が議決されました。
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平成29年度 |
過去分代行返上と確定給付企業年金への移行
- 平成29年には、代行返上計画の第二段階となる「過去分代行返上」の認可を得るため、全国の事業所で説明会等を実施しました。その結果、過去分代行返上について、平成30年2月28日現在で、全事業主および加入員の3分の2以上の同意を得ました。また、確定給付企業年金への移行については、全事業主、事業所ごとの過半数代表職員(条件により労働組合の場合も含む)、加算適用加入員(正職員)および加算非適用加入員(嘱託職員、臨時職員、パートタイマー等)のそれぞれ3分の2以上の同意を得ました。これらの同意を受けて、平成30年3月20日開催の第65回代議員会において、国への「過去分代行返上と確定給付企業年金への移行の認可申請書」等の提出について議決しました。この議決に基づき、平成30年3月29日付で厚生労働大臣あて「過去分代行返上と確定給付企業年金への移行の認可申請書」等を提出しました。
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平成30年度 |
確定給付企業年金の移行認可
- 平成30年6月21日に厚生労働大臣から「厚生年金基金から企業年金基金への移行認可書」を受領しました。これをもって平成30年7月1日付で企業年金基金への移行の認可を受けることとなり、「日本赤十字社企業年金基金」が設立されました。
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令和4年度 |
厚生年金基金最終決算(平成30年度)の承認
- 令和4年6月21日に厚生労働大臣から、日本赤十字社厚生年金基金の消滅に伴う決算報告書について承認を受けました。
これをもって、厚生年金基金制度時の最終決算が確定いたしました。
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